はり治療後のだるさはダメなもの?

 

鍼治療のあと、だるくなって不安になったという経験はありますか?

 

鍼をした時、早い人なら治療後ベットから起きられない、遅い人なら1週間続くなんてことがありますが、大抵はその日の夜か翌日に出ます。必ずしもだるくなるかといえばそうでなく、だるさは全く出ないという人もいます。

 

こう言った症状を、よく好転反応、つまり良くなるための一時的な反応だという説です。たとえば、カゼを引いて高熱が出た後、治ったら以前より調子良い、悩んでいた腰痛がない!という声を聞くことがあります。

 

↓の書籍の内容にもありますが、風邪のような一時的な体調不良により体の修復力が増強するという考え方です。

野口晴哉「風邪の効用」

 

私もこの考え方は経験上目にしてきたものなので基本的には同意します。特に体調が悪い時、自律神経で言えば交感神経優位が強い時などは鍼をして副交感神経優位に持ってくとだるくなりやすい。

 

強烈にカラダが休め〜休め〜となるので動けなくなるんですね。

 

だから治療後のだるさは悪いものではない。生活の支障は置いといてですよ。そりゃあ誰でもだるいのはイヤだし、そのせいで仕事ができなかったら困ります。

だけど、

それだけだるくなるのはカラダが限界だったということでもあるんです。鍼治療していなかったら、風邪で熱が出ても解熱剤で下げたら、動くことはできるかもしれません。その時は良いけども、そういった生活を続けているといつかすぐ治らない病気になると私は思います。だって無理しているんだから

 

それよりも、鍼でだるさが出たら「あ〜疲れてたんだな」と認識し、しっかり休む。風邪で熱が出たら一時的な体温上昇で身体も元気になるな〜と前向きに捉えるのが良いと思いますよ

 

 

 

と、ここまでは好転反応の話でした

 

 

実は好転反応ではなく単純に悪い反応というものもあるんです。

 

健康な状態に「頭寒足熱→頭は冷めていて足が暖かい」というのがあります。

病的な状態に「上実下虚→上が多くて下が足りない」というのもあります。

 

他にも、気逆→気が登って頭がカッカするとか、気脱→気が抜けて元気が無くなるとか

 

これらは鍼をしたことによって悪い方へ変化させてしまった例であり、好転反応ではありません中工の害(ちゅうこうのがい)という言葉がありますが、これは初心者やヘタクソなら良くもできないが大きく悪くなることもない、しかしそこそこ上手くなると変化させることができるようになるので大きく悪くしてしまうことがある。

上工は大きく良くすることができ、悪くすることは滅多にないというものです。

 

 

 

では好転反応とダメな反応の見分け方はというと

 

だるさが出たあと数時間後か数日後かは分かりませんがスッキリしているか?

ご飯が食べれるか?眠れるか?

顔や耳がカッカしていないか?

このようなところが判断材料になります。

 

痛みの強弱はあまり判断材料にならず、たとえ痛みが増していても捻挫の炎症のように治る過程のものもあるし、反対に治療後に痛みが軽減してもその場限りのこともあるからです。

 

 

 

まとめ

鍼治療後の好転反応とそうではないダメな反応があるということを説明しました。

見分け方は、一番はその後スッキリするかどうかです。

伝えたかったことは、

人間に限らず世の中は良いときもあれば悪いときもある。+になれば-にもなり波があります。休めるから動けるし、動くからしっかり安めるんです。誰だってだるいのはイヤだし、熱もイヤです。治療で悪くなるのは当然ダメなのですが、だるさや熱が出る、痛みを極度に嫌がって、治療を避けたり、熱や痛みを薬で押さえつけたりするのはその時はいいかもしれませんが、いつか取り返しのつかない問題になることもあるというお話でした。