解剖的なハリキュウと東洋的なはりきゅう

このお店は「刺さないはり」つまり一般的な鍼灸とは少し違うことをしています。

 

刺さないはりでも、てい鍼と呼ばれる先の丸くなったものを使うのではなく、

 

鍼灸師が一般的に使う刺すための鍼で刺さないという、刺さないはり業界からも少しはずれた手法です。

 

なぜてい鍼を使わないのか…

 

滞っているもの(血や気や水などの停滞)を巡らすためにはてい鍼では難しいという考えからです。

 

あくまで私が採用している「徳山式接触鍼」の考え方なので、他の鍼や手法がダメというわけではありません。

 

こういった気や血や水を巡らせる、という考え方は東洋的な鍼灸で、

 

わかりにくい概念です。ただ理解が深まれば深まるほど単純で物理的で理論的なものです。

 

そして現代医学で常識とされていることに対して疑問が浮かび上がってきます。

 

否定はしませんが、それだけでいいのか?と

 

まあそれはおいといて、実は私はこの手法をする前はバリバリに刺していました。

 

それこそ中国鍼などの太くて長い鍼も使っていましたし、

 

顔も頭も指先も、皮膚表面だけでなく筋肉の層を超えて骨に届くまでの深さにも鍼していました

 

別に効かなかったわけでなく、ましてや事故も起こしたこともありません。

 

ではなぜ刺さないのか?

 

刺す必要がなくなったからです。

 

刺さないはりのほうがよく効くし、効果も良い、

 

というのは解剖学的に行うはり(筋、骨、関節を主体に考えるはり)よりも東洋的(気、血、水)なアプローチをしたほうが私にとっては効果が良いと判断したからです。

 

繰り返しますが解剖的な鍼が効かないといっているわけではありません。

 

筋、骨、関節へのアプローチで内科疾患を治療している方もいます。

 

 

そんな刺さないはりを主体におこなっている私ですが、

 

刺す時もあるんです。

 

それは悪くなっている大本を治す必要はあるものの、あまりにも硬直している筋肉や関節は直接刺激したほうが早いからです。

 

それすら遠隔で、という鍼灸師も沢山おられるとは思いますが

 

別に遠隔じゃなくても、刺さないことにこだわらずとも、早くて確実で安全なら私はそのほうがいいので刺すときは刺します。

 

「刺さないはり」をしているからといってこられる方に無理にすることはありませんし、

 

実際刺すことなんてめったにないんですが、

 

場合によっては刺すんですよということをここで説明しておきます。