おなかのしこりや違和感と「腹診」

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中国古来より診断に使われ、特に日本の東洋医学でも昔から重要視されてきたおなか・・・
おなかのしこりと東洋医学の治療には欠かせない腹診を説明します。

へその下にしこりがありドクドクする・・・
上腹部に張りがある・・・
みぞおちや肋骨の付近が硬くて重痛い・・・
特に鍛えてもいないのにお腹全体が硬い・・・

しこりといえばこのような自覚を感じる方も結構いらっしゃいます。
しこりとは反対に下腹部がペコペコで力がなかったり、
お腹全体がフニャフニャで柔らかいというよりは張りがないのも問題ですね。

ではなぜおなかがこのような状態になるのか?それは

1おなかには臓器が集中しているため神経反射として出る
2ヘソの下の「臍下丹田」は生命力の源、その下には大動静脈が通り、
体のエネルギーバランスや血行状態が反映する
3五臓六腑「肝・心・脾・肺・腎」はお腹にも配当されていて、
それぞれの異常が腹部の硬さや軟弱さとして現れる

大きくいえばこれらが理由になります、治療前に「おなかを見ますね」というと「えっ!」とびっくりされる方がたまにいらっしゃいますが、腹診とは鍼灸治療するには不可欠なものの一つなのでご容赦お願いします(笑)

それでは異常が現れる場所について説明していきます

ヘソの下にしこり
大動脈瘤の診断を受けていないが下腹部にしこりがある、痛みは伴わないがドクドク強く拍動している・・・下半身の循環血流が悪く東洋医学的には、血や水と関係の深い腎に問題があります。不妊の方でもこのような方がたまにおられ下半身が冷えている方が多いです。

ヘソのななめ下にしこり
これは悪血(おけつ)といわれ、血行不良が長引き、血の停滞があるときにしこりができます。便秘の人や子宮筋腫がある人はよく出ます。

上腹部のしこり(張り)
胃の状態がよく表れ、胃酸過多や胃腸に冷えがある時には膨満感として現れます。

みぞおちのしこり(つかえ)
心の状態が現れるとこで、目を使い過ぎていたり、ストレスが多く神経が高ぶっている人によく現れ肩こりを感じる人が多いです。現代社会ではほとんどの人がこのような状態にあるので治療は心と相対的である腎を治療し全体的なバランスを整えるようにします。

脇腹(肋骨下)のつまりや重痛
ここは肝臓や脾臓が位置し、胃から肝臓に血流が流れる門脈の循環が悪かったり、リンパの流れが悪い時に硬くなったり重痛かったりします。これもストレスが多いとよく現れます。

お腹全体の緊張
感染症や重篤な消化器疾患でも現れますが。日常的に硬い人は自律神経(交感神経)緊張状態の人です。

これらが腹診で診る場所になります。ほとんどの方は腹診をして初めて異常に気付くのですが、自覚としてすでに感じるのはなかなかのレベルだと思うので治療は早めにしたほうが良いと思います。

他にも色、圧痛、違和感、軟弱感がどの場所にあるかで様々な情報が「腹診」で得ることができ、脈診や舌診と併せて総合的に診断して治療するのが東洋医学の鍼灸であり、当院の鍼灸でもあります。

体に不調がある方は自分でお腹を触って確認してみるのもいいかもしれませんね、では質問、お問い合わせお待ちしております。